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2010年12月13日月曜日

キリシタン版『サカラメンタ提要 付録』―影印・翻字・現代語文と解説

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■ 書籍案内
『サカラメンタ提要』(Manuale ad Sacramenta Ecclesiae ministranda)は、1605年に長崎で二色刷り印刷されたキリシタン版の一種で、カトリックの典礼を執り行う固有な儀式の趣旨や次第、祈りや教えを収めた定式書である。

現存するのは世界に8冊のみであり、とくに「付録」(SACRAMENTOTO SONO FOca xinajinano guini tçuiteno voxiye. サカラメンタとそのほか品々の儀についての教え)が付されているのは、8冊のうちでも中国国家図書館所蔵の1冊だけである。

1936年、上智大学のヨハネス・ラウレス神父によってこの「付録」が北京の北堂図書館に所蔵されていることが判明し、その際に撮影された写真のみが伝えられてきたが、原本はその後所在不明となっていた。

中国国家図書館での所蔵が判明した後、鮮明な影印版及び現代語文が刊行されるのは今回が初めてである。

定式書は、ラテン語のほかに各地域の言語でも著されるのが普通であったが、教勢が急速に伸張し、1604年には日本人司祭も誕生していた当時の日本では、すべての内容を日本語文に改める時間的余裕がなく、必要性の高いものについてはローマ字表記の日本語にして本文に挿入するか、「付録」として巻末に綴じ込むという対応がとられた。

『サカラメンタ提要』本文中にも随所に「付録」を参照するよう指示があり、「付録」を欠いては十分な研究は不可能であろう。国語学研究の資料として、また日本史資料としても重要な一冊である。


■ 著者紹介
  高祖敏明(こうそ・としあき):1947年生まれ。76年上智大学大学院文学研究科教育学専攻博士課程満期退学。現在、上智大学総合人間科学部教育学科教授。



■ 書籍概要
著者高祖敏明
価格7,140円(税込)
出版社雄松堂書店
発売日2010年12月
ページ188
サイズ-
ISBN-104841905359
ISBN-13978-4841905359

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