2010年12月8日水曜日
タルムードの中のイエス

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背教者とされ、新しいカルトを創設した男、魔術によって癒し、偶像崇拝のかどで石打ち刑に処された娼婦の息子、彼は、永遠に地獄に囚われている・・・転倒されたイエス像は、キリスト教の中心を撃とうとする洗練された闘いの跡であり、緻密に構想された対抗神話である。
ここに読み取れるものとは何か。ユダヤ教文献の校訂・翻訳の蓄積を踏まえ、いずれにも偏することのない学問的立場から、宗教間闘争の実像に迫る。
反ユダヤ主義を超えるために。
2010年12月6日月曜日
2010年11月22日月曜日
アッシジの聖フランチェスコ

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フランチェスコが生きた時代は、都市化が進展し貨幣経済が浸透してゆく西洋中世の大きな転換期だった。
清貧と謙譲を実践し、新たな伝道の形を創始したフランチェスコの活動は、社会の革新と伝統とが対峙する同時代の歴史的・社会的・文化的文脈の中にどう位置づけられるべきなのか。
中世史の泰斗が「私の」フランチェスコ像を提示する。
2010年11月10日水曜日
はじまりのキリスト教

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復活、回心、浸礼、聖餐・・・・・・キリスト教の根幹をなす象徴と儀礼を再考する。初発の宗教的経験の輝きが当面した、人間的な葛藤と政治力学の痕跡。生成にまつわる影を、新約諸文書に掘り起こす。ヨーロッパ精神史のはじまりに、宗教性の根源を探って。
2010年10月22日金曜日
国家と宗教―ローマ書十三章解釈史=影響史の研究

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国家と宗教の問題は、ヨーロッパ政治思想史を背骨のように貫いている。とりわけ、「すべての人は上に立つ権威に従うべきである」とするローマ書十三章の言葉は、この問題において比肩しうるもののない影響を後世に与えてきた。その膨大な解釈史に分け入り、ヨーロッパ政治思想の普遍的価値を明らかにした著者積年の研究の集大成。
2010年10月21日木曜日
聖書の読み方(岩波新書)

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「聖書は信仰をもつ人が読むものだ」。世界一のベストセラーとは聞いても、どこか近寄りがたさを感じてしまう書物『聖書』。本書はその聖書を、広く人びとに開かれた一冊の本として読む案内書である。特定の教派によらず、自主独立で読む。聖書学者である著者が、自身の経験と思索をもとに提案する「わかる読み方」。
聖なるもの(岩波文庫)

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合理的に発達した宗教の核心には、非合理的なもの――感情や予覚による圧倒的な「聖なるもの」の経験が存在する。オットー(1869‐1937)はその本質を「ヌミノーゼ」と名づけ、現象学的・宗教哲学的考察を展開する。キリスト教神学のみならず哲学・比較宗教学にも多大な影響を与えた、20世紀を代表する宗教学の基礎的名著。新訳。
2010年10月19日火曜日
ユダヤの聖書解釈 スピノザと歴史批判の転回

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ユダヤ伝統の聖書注解の歴史に秘められた、精神史の諸問題を発掘する。キリスト教の神学・聖書学との対決の中で蓄積された、独自の解釈方法の意義とは何か。スピノザを軸とする、聖書の歴史的・批判的読み方への転回をたどり、そこに伝統と近代が融合する類例のない形を探りあてる。ユダヤ的なるものの原像と「近代」。
2010年10月13日水曜日
ブーバーとショーレム ユダヤの思想とその運命

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世紀転換期ドイツ知識社会の動乱の中から姿を現したユダヤ教科学、その第二世代であるブーバーとショーレムの関係を軸として、「ユダヤ的なるもの」がたどった大戦後への思想的な軌跡を描く。二人の思想の同調と反発には、伝統と近代、民族と国家をめぐる逆説が集約的に現れていた。パレスチナ問題に流れ込むユダヤ思想の内なる断層とは。
2010年9月28日火曜日
神と人種―アメリカ政治を動かすもの

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アメリカ史において、人種問題と宗教は密接に結びつき、からみ合ってきた。それは絶えざる道義上の課題となっただけでなく、アメリカ政治に決定的な影響を及ぼし続けた。その経過を、バプティズム研究の第一人者が、南北戦争や公民権闘争などの転換期に焦点をあてつつ歴史パノラマとして構成する。訳者による詳細な解説を付す。
2010年9月27日月曜日
2010年9月24日金曜日
「私たちの世界」がキリスト教になったとき―コンスタンティヌスという男

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ヨーロッパ世界の根は、キリスト教にはない。ローマ史の碩学が、コンスタンティヌスによる国教化という「起源」の物語を書き直す。一人の男の信仰と資質が、キリスト教という比類ない文化装置を起動した。歴史を輪切りにし、人間が生き死にするリアルな偶然の過程を叙述する。必然の神話を解体する「歴史の方法」試論。
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